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朝日新聞にUnicksが紹介されました

大醐:朝日新聞にUnicksが紹介されました

2025.09.20

メディア掲載

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かかとのない靴下 認知症の人と衣料品メーカー社長の出会いから誕生

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かかとのない靴下 認知症の人と衣料品メーカー社長の出会いから誕生-
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写真・図版
開発した靴下「Unicks(ユニークス)」は伸縮性が高く、はき口が大きく広がる=名古屋市、友野賀世撮影
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衣類が並ぶ店を訪れると、一角に「どんな人にもはきやすい」と紹介されている靴下のコーナーがありました。かかとがなく、どの向きにでもはける靴下だそうです。「Unicks(ユニークス)」と名付けられたこの靴下。衣料品メーカー「大醐」(本社・名古屋市北区)の社長・後藤裕一さんが、認知症の人の不便さを知ったことをきっかけに生まれました。後藤さんに話を聞きました。
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――靴下が誕生した経緯を教えてください。

5年ほど前に、地元の北区で「認知症フレンドリーコミュニティ」について話し合う有識者懇談会ができて、そのメンバーになりました。それまでにもまちづくりの活動はやっていましたが、認知症に詳しいわけでもないし、当事者の方との接点が特段あったわけでもない。「なんで私が?」と不思議に思いつつも、地元企業の立場から考えてみようと参加しました。

その会議で、認知症の当事者の方が靴下をはくのに苦労していると知って驚きました。靴下メーカーの自分たちにできることがあるんじゃないかと思ったんです。
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「出かけるのがおっくうに」と聞いて……
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――それで行動に移したのですか。

はい。さっそく近くのデイサービスに社員と一緒に出向いて、当事者の方から話を聞いたり、実際にはくところを見せてもらったりしました。

「うまくはけないから出かけるのがおっくうになって、外出する機会が減っている」と聞き、「『介護する人がはかせやすい』ものではなく、『本人が自分ではきやすい』ものを作りたい」と強く思いました。出かけたいと思ったときに出かけてほしいじゃないですか。

――どうしたらはきやすくなると考えましたか。

まず、足をどこから入れたらいいのかが分からない。「はき口」がみつけられない様子でした。

そこではき口を認識しやすいように、はき口の色を他のところとは違う色にしました。足を入れやすいように、はき口がよく伸びて大きく開くようにもしました。

かかとの位置を合わせるのも難しそうだったので、合わせる必要がないように、かかともなくしました。足を入れれば、どの向きであっても「正解」なのです。
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写真・図版
-はきやすいように工夫した靴下「Unicks(ユニークス)」
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「何とか、自分ではける」と笑顔に
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――開発に協力してくれた当事者の反応はいかがでしたか。

「何とか、この靴下なら自分ではける」と笑顔になっていました。普通の靴下はご自分ではくのにとてもとても時間がかかり、苦労なさっています。場合によっては手助けが必要になることもあります。この靴下でも「簡単にはける」とまではいかないのですが、ご自分ではける。それで笑顔になるんです。

ほかにも「かかとのことも何も考えなくていいから楽」「かかとがないことに違和感がない」といったご感想をいただきました。

試作を重ね、2022年から「Unicks」として一般に販売しています。

――「認知症の当事者のため」だけの製品にはなっていませんね。

開発の途中で、若い社員から「若い人の中には面倒くさがりもいるから、かかとを気にしないでいい靴下は受け入れられるかも」「色やデザインにこだわれば、一般の人にも受け入れられるのでは」といった意見が出ました。それで認知症の方以外にもはいていただける製品を目指すことにしたんです。
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写真・図版
-かかとのない靴下「Unicks(ユニークス)」と開発した大醐社長の後藤裕一さん=名古屋市
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――若い社員に後押しされた感じですね。

はい。若い人がどう思うのかについては、それはもう若い社員の感覚が頼りになります。今では色のバラエティーに加え、素材や厚みが違う数種類の「Unicks」があります。

作業靴をはく仕事の方が「かかとがないので回して使えて、靴下が長持ちする」と買ってくださることもあります。認知症の方のはきやすさを目指して、結果としてインクルーシブ(包摂的)に誰でもはきやすい靴下になりました。幅広くはいていただきたいですし、何よりも「これなら自分ではける」ような方々に、この靴下の存在を知っていただけたら。

――認知症当事者の「自分でできる」をサポートする製品を、次に開発するとしたら?

下着ですね。もっとも自分で着たい、自分で着続けたいものだと思いますから。

 

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かかとのない靴下 認知症の人と衣料品メーカー社長の出会いから誕生